健康用語解説

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ビタミンE

ビタミンE(vitamin E)は、脂溶性ビタミンの1種である。トコフェロール(tocopherol)とも呼ばれ、特にD-α-トコフェロールは自然界に広く普遍的に存在し、植物、藻類、藍藻などの光合成生物により合成される。医薬品、食品、飼料などに疾病の治療、栄養の補給、食品添加物の酸化防止剤として広く利用されている。

ビタミンEの構造中の環状部分は、慣用名でクロマンと呼ばれる構造である。このクロマンに付くメチル基の位置や有無によって、異なる型のトコフェロールに分類される。ヒトではD-α-トコフェロールがもっとも強い活性をもち、主に抗酸化物質として働くと考えられている。抗酸化物質としての役割は、代謝によって生じるフリーラジカルから細胞を守ることである。

<歴史>
1922年にアメリカ合衆国のハーバート・エバンス(英語版)(Herbert M. Evans)とキャサリン・ビショップ(英語版)(Katharine S. Bishop)によって発見された。

<構造>
トコフェロールはトコールのメチル化誘導体である。構造中の環状部分は、慣用名でクロマンと呼ばれる構造であり、このクロマンに付くメチル基の位置や有無によって、α, β, γ, δ の4種がある。また、トコフェロールの炭化水素鎖の部分に多数の二重結合部分を持つトコトリエノールも、ビタミンEとしての活性を持つ。トコトリエノールは米油などに豊富に含まれ、トコフェロールと比較してin vitroでは同等程度の抗酸化力を示すが、細胞中では40-60倍の抗酸化力を示す。トコトリエノールの経口摂取は、生体中における脳卒中関連脳血管障害を予防すると考えられている。

以下にトコフェロールとトコトリエノールの構造を示す。

<特徴>
ビタミンEは、フリーラジカルを消失させることにより自らがビタミンEラジカルとなり、フリーラジカルによる脂質の連鎖的酸化を阻止する。発生したビタミンEラジカルは、ビタミンCなどの抗酸化物質によりビタミンEに再生される

フリーラジカルはDNAやタンパク質を攻撃することでガンの原因ともなりうるし、また、脂質過酸化反応により脂質を連鎖的に酸化させるとされている。

<摂取基準>
かつてはα-トコフェロール当量 (mgα-TE) で所要量が表示されていたが、厚生労働省が策定した2010年版の食事摂取基準においては、α-トコフェロールのみの目安量(adequate intake, AI)及び耐用上限量(tolerable upper intake level, UL)を定めている。血液及び組織中に存在するビタミンE同族体の大部分がα─トコフェロールであるため、α─トコフェロールのみを指標にビタミンEの食事摂取基準を策定している。

▼目安量
・成人男子(18–29歳) 7 mg/day
・成人女子(18–29歳) 6.5 mg/day

▼上限量
・成人男子(18–29歳) 800 mg/day
・成人女子(18–29歳) 650 mg/day

<多く含む食品>
・ひまわり油(サンフラワー油)、綿実油、べにばな油(サフラワー油)、米ぬか油、とうもろこし油などの油脂類
・アーモンド、ラッカセイ、大豆などの種実類
・キャビア、いくら、たらこなどの魚卵類
・青魚
・マヨネーズ

引用:Wikipedia_ビタミンE
(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%93%E3%82%BF%E3%83%9F%E3%83%B3E)
引用日時:2020年3月12日